バイナリーオプションを始めようか悩んでいる方の中には「バイナリーオプションはギャンブルで勝てないのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか。
投資といえば株式や投資信託などが馴染みのあるメジャーな金融商品としてイメージできます。
しかしバイナリーオプションはあまり馴染みがなく、ギャンブルではないかと不安に思ってしまう方も少なくありません。
結論としてバイナリーオプションはギャンブルではありません。
しかし取引方法によってはギャンブル的な取引をしてしまうこともあるので注意が必要です。
そこで今回はバイナリーオプションがギャンブルでない理由3つ、ギャンブルと言われる原因、ギャンブル防止の具体的な取引方法などを紹介していきます。
これからバイナリーオプションを始めたいがギャンブル取引をしたくない、客観的なギャンブルでない理由を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
・ バイナリーオプションは金融商品で、法律でもギャンブルと区別されている
・ シンプルで始めやすいからこそ、運任せの取引をする初心者が多い
・ 根拠を持って取引をすることで、ギャンブル的な取引を防げる
バイナリーオプションはギャンブルなのか
「バイナリーオプションはギャンブルなのか」という質問に関して、その答えはNOです。
バイナリーオプションはギャンブルではありません。
後述しますが、ギャンブルとバイナリーオプションは区別されています。
法律でも定められている株式などと同じ「金融商品」の1つとなっています。
そもそもギャンブルとは
そもそもギャンブルとは何なのでしょうか。
言葉の定義としては、以下のようになっています。
ギャンブルとは
文化・法律で「ギャンブル」の言葉が持つ意味が異なるため、現在は、「物やお金など価値あるものを賭ける行為」またはそのような行為を商業化したものは「ギャンブリング」または「ゲーミング」と総称されている。「ギャンブル」は日本語のカタカナ俗語であり、諸外国ではgamblingが用いられ、日本人がイメージするギャンブリング=賭博という狭いとらえ方はされていない。また、ギャンブリング・ゲーミングは、特定の遊びの種類を指すものではなく「賭け事」「お金を賭ける娯楽」及びその行為・習慣を広く指す用語である。例えば、パチンコは、国内法では遊技。世界的には、一部に賭博性を持ったゲームであり、分類上はギャンブリングになる。一般社団法人日本SRG協議会より引用
つまりお金をかけて勝ち負けを争う行為がギャンブルといえます。
さらに賭け事ですので、運任せの要素が強くなりますよ。
ギャンブルはオートレースや競艇、競馬、宝くじ、スロットなどが公営ギャンブルとして認められています。
しかし合法でない資金のやりとりを伴う勝敗を楽しむ行為は賭博として、法律で規制されているので注意が必要です。
1対1の賭け事など法律で禁止されている対象にお金をかけて遊ぶ行為は、賭博として処理されます。
賭博行為を行うと刑法186条の賭博罪として裁かれてしまうので注意しておきましょう。
この文章だけ見ると、バイナリーオプションはお金をかける行為という観点で同じに思えてしまうかもしれません。
しかしバイナリーオプションは資金を増やす「金融商品」という認識になりますので、公に認められているバイナリーオプションへ賭博罪は適応されません。
バイナリーオプションがギャンブルでない理由3選
バイナリーオプションがギャンブルでない理由を3つ紹介していきます。
主な理由は以下の3つです。
・ 合法であり、法律で異なる
・ 還元率が段違い
・ ギャンブルではなく投機に属する
それぞれ紹介していきます。
合法であり法律が異なる
バイナリーオプションは合法であり、ギャンブルと規制されている法律が異なります。
前述したようにギャンブルに適用される法律は刑法186条で、一方バイナリーオプションは金融商品なので適用されている法律は金融商品取引法です。
具体的には金融商品取引法第2条デリバティブ取引がバイナリーオプションに適用されますよ。
さらに自主規制規則として「バイナリーオプション取引規則2条1号」にて管理されています。
つまり、国はギャンブルとバイナリーオプションを法律面で区別していることがお分かりになるのではないでしょうか。
ギャンブル的な側面が強い宝くじやパチンコは公営ギャンブルであっても、資産を増やす目的で取引する金融商品としては取り扱われません。
還元率が段違い
バイナリーオプションとギャンブルでは、還元率と呼ばれる数値にかなり大きな差が生じます。
これは100万円をかけた場合に、どれぐらい金額が戻ってくるのかを算出した数字となります。
ギャンブルと呼ばれる商品とバイナリーオプションでは以下のように数値が段違いなのは一目瞭然ですね。
・ 宝くじ:40%
・ 競艇、競馬、競輪:75%
・ パチンコ、スロット:80~85%
・ バイナリーオプション:95%
この還元率の差は「マイナスサムゲーム」と「ゼロサムゲーム」というゲーム特性の違いが大きく影響します。
・ マイナスサムゲーム
利益 = (負けた人のかけ金 – 胴元の取り分)÷ 勝利者
胴元が勝利金の一部を抜き取った後、少なくなった金額を勝者で分配する。
・ ゼロサムゲーム
利益 = 負けた人のかけ金 ÷ 勝利者
負けた人の金額を勝者で分配する。
マイナスサムゲームはギャンブル、ゼロサムゲームはバイナリーオプションです。
バイナリーオプションでは手数料を支払っていますので、負けて人のかけ金から胴元の取り分を引く必要がないのです。
ギャンブルではなく投機に属する
バイナリーオプションはギャンブルではなく投機に属します。
投機に属する金融商品としては株式、債券、外貨、コモディティ、デリバティブ、暗号資産、不動産、美術品などが挙げられます。
ギャンブルと投機の違いは利益と損失のバランスです。
ギャンブルは還元率が低く、利益より損失が大きいマイナスサムゲームに属すと前述しました。
つまり参加者がお金をかけて、最初に主催者が大きく資金を抜いた後に残った資金を勝者で分ける仕組みをとっています。
そのためギャンブルは支払った資金よりも少ない金額を勝者で奪い合うことになるので、確実に損失が大きくなります。
一方、投機は短時間で資金の変動を利用しお金を稼ぐ方法です。
バイナリーオプションやFX、株式のデイトレードなどが対象で「勝者の利益 = 敗者の損失」であるゼロサムゲームと前述しました。
このように属する言葉も異なるので、バイナリーオプションでギャンブルといえないのです。
ギャンブルといわれる理由
バイナリーオプションがギャンブルといわれる理由は、ギャンブル的な取引をしている人が多いからです。
法律で区別され、マイナスサムゲームとゼロサムゲーム、ギャンブルと投機という言葉でも区別されている状態ということを前述しました。
しかしそれでもギャンブルと勘違いしてしまうので、以下のような方が多いのが要因として挙げられます。
・ 勝てそうだからと一気に高額取引した
・ 勉強せず、なんとなく取引する
・ 同じ方向にかけ続けてみた
これらはギャンブルでないバイナリーオプションで、運任せのギャンブル的な取引をしてしまっているといえます。
勉強せずに適当に好きなものを選び投資していた場合、株式やFX投資信託でも同じことがいえますよね。
運任せな行為をしているギャンブルと何ら変わりません。
その中でも特にバイナリーオプションは、上か下かを判断する二者択一のシンプルさ故に参入障壁が低くギャンブル的な取引をする初心者が多くなるのです。
そのため「シンプルで稼げる」というイメージが先行し「勉強しないでも稼げる」と勘違いして失敗し、結果として「ギャンブルだから勝てない」という人が多くなってしまうのです。
ギャンブルにしない対処法
始めやすくシンプルであるバイナリーオプションの強みが、逆にギャンブル的な取引をしてしまう要因であることがわかりました。
ここではギャンブルにしない対処法を2つ挙げて行きます。
ギャンブル的な取引を行わないよう念頭において取引するようにしましょう。
根拠を持つ
最も有効な方法は根拠を持つことです。
なんとなくで取引していては、ただの運任せのギャンブルと何ら変わりはありません。
デリバティブ取引で投機に属する金融商品であることを理解した上で、資産を増やす戦略を練っていきましょう。
根拠があって勝てるようになれば運ではなく、実力で勝てる状態なので勝ち続けやすくなります。
価格変動を利用して稼ぐことになりますので、変動のポイントを見抜く練習を忘れないようにしましょう。
後述するような具体的な取引方法を視野に入れて、自分なりの根拠を持って取引しましょう。
勝つかもしれないを辞める
「勝つかもしれないから、取引をしよう」と期待を持って取引するのは、ただの運任せの行為で娯楽です。
バイナリーオプションは、娯楽ではなく資金を増加させたいと期待して始める人がほとんどではないでしょうか。
それなのに勝てるかもしれない、と取引して損失を拡大させては本末転倒です。
「勝つかもしれないから取引してみよう」ではなく、「負けるかもしれないからしっかりと勉強してから取引しよう」と考えることでギャンブル取引を防止できますよ。
資金管理
資金管理を徹底することもギャンブルにしない対処法となります。
ギャンブルはお金をかける娯楽です。
増やすことにフォーカスせずただ取引を楽しむため、資金は減少していくことになるでしょう。
ギャンブル状態から脱却するには、以下のような資金管理のルールが必要となります。
・ 何%を増やせば終了
・ 何%負ければ、一旦取引をやめる
・ 1回あたりのかけ金を設定する
・ 根拠が強く負ける要素が少ないタイミングでは、〇円までかけ金を増加させる
このように具体的な資金管理を行うことで、お金をかけて遊ぶのではなく資金を使って増やす行為を実現できるのです。
ギャンブル防止の具体的な取引方法
投機であるバイナリーオプションは価格変動を予測することが重要です。
価格変動を知る方法として、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2種類が挙げられます。
ファンダメンタルズ分析
各国の経済状況や指標等を用いて今後の価格変動を予測する分析方法です。
このファンダメンタルズ分析を用いてと以下のような取引が可能になります。
・ 米国雇用統計は好調 → ドル買い → ドル円にHIGHエントリー
・ 日本が円安解消に向けて動きだした → 円買い → ユーロ円やドル円にLOWエントリー
バイナリーオプションでの価格変動は通貨の需要と供給によって変化します。
そのため需要が増える要因(経済指標が好調など)が発表されれば、対象通貨は買われます。
反対にその銘柄から資金が出ていくようなニュース(指数悪化やバットニュースなど)があれば、対象通貨は売られると予測できますよね。
たとえば、直近のアメリカ雇用統計では非農業部門雇用者数が伸び、失業率は同じ低水準という結果が示されました。
発表後ドル円は一気に上昇した勢いから、反発していますが、その後は上昇傾向となりました。
つまりこのケースでは「好調であった = HIGH」が有効というわけです。
ニュースや情勢、経済指標をチェックし、その都度適切な対応すれば根拠を持った取引ができますよ。
具体的な重要経済指標はこちらの記事で紹介しています。
ニュースも普段見ない方でもポイントを抑えればファンダメンタルズ分析を行うのは可能です。
一度確認してみてはいかがでしょうか。
テクニカル分析
短期間取引に活用しやすい分析方法です。
過去の値動きの統計から判断し、インジケーターといわれるテクニカル指標を用いて以下のように今後の価格変動を予想します。
・ 移動平均線が上向き → その銘柄は上昇していく可能性がある
・ RSIが70以上 → 買われすぎているので相場が転換し下落に転じる可能性がある
先ほどと同じチャートでもテクニカル分析を使えば、別の見方ができます。
3本の移動平均線を表示させてみると、赤・青・緑の順で並んだタイミングで強い上昇が起こっています。
この時にHIGHエントリーを行うことで、勝てる可能性があると考えられますよね。
このように過去の統計から算出された指標を参考に、現在の相場状況を判断して根拠を持って取引できるのです。
テクニカル指標分析で使える指標は以下の記事でまとめています。
一気に全て覚える必要はなく、1日1つ覚えていけば問題ありません。
デモトレードなども使いつつコツコツとマスターしていきましょう。
まとめ
今回はバイナリーオプションはギャンブルなのかについて法律面や単語、数値などを用いて確認していきました。
結論としては、バイナリーオプションはれっきとした金融商品でギャンブルではありません。
しかし上か下かを予想するだけというシンプルさゆえに、ついつい運任せの取引をする初心者が多くなってしまいます。
そのためまずは「勝つかもしれない」という不確定な状態での取引をやめ、根拠を持つように意識しましょう。
すぐに取引を行わず、ファンダメンタルズ分析やインジケーターを使ったテクニカル分析を行いつつ、自分の資金管理ルールを立てることを優先してくださいね。