バイナリーオプションで取引する際に、トレンドを意識する方は多いと思います。
しかし、
「トレンドラインを引いて確認してみても値動きが読めない」 「分かりにくい」 「思った方向と違い方向へチャートが動く」
などというお悩みを持ってしまう方は少なくありません。
実はトレンドラインを上手く使いこなすためには、「押し目」と「戻り目」というチャート特有の動きを理解する必要があります。
今回は押し目・戻り目がなぜ必要なのか、具体的にどう取引に使っていくのか、などを解消できる記事となっています。
・ トレンドやトレンドラインは何となくわかるが、取引には応用できていない
・ トレンドラインを引いてみるが、いまいちしっくりこない
・ チャート全体の動きを理解したい
・ 実践でトレンドラインを使ってみたい
という方は、ぜひ最後までご覧いただきたいと思います。
バイナリーオプションの押し目・戻り目とは?
バイナリーオプションにおける「押し目」「戻り目」というのは、投資の専門用語となります。
それぞれ投資家心理を表すもので、トレードに触れたことがある人は一度は「押し目買い」「戻り売り」などの手法も聞いたことがあるのではないでしょうか?
押し目とは?
チャートでは、しばしば上昇している際に利益を確定する売りが一時的に入ることで、一時的に下落して再度上昇していくような動きがみられます。
この一時的な下落を「押し目」と呼び、以下のような投資家の心理で形成されています。
① 上昇中に投資家が「これだけ上昇すれば、そろそろ下げそうだな」と判断する
↓
② 利益確定売りで、価格が下落する(押し目スタート)
↓
③ 一時的な下落で、直前に買っていた投資家が焦って「ヤバい、早めに撤退しよう」と損切りする
↓
④ 下落が落ち着き、「そろそろ買おう」と判断した投資家が買って、価格が上昇する(押し目終了)
このように押し目は、少し下がったから再度上昇していくだろうという考えの元で形成されていきます。
押し目で買うことで、利益を上げる手法を「押し目買い」といいます。
戻り目とは?
反対に「戻り目」は下降トレンド発生時にできる、一時的に上昇したポイントを指しています。
① 下落中に投資家が「これだけ下落すれば、そろそろ底になって、上げそうだな」と判断する
↓
② 買いが多くなり、価格が上昇する(戻り目スタート)
↓
③ 一時的な上昇で、「そろそろ下落しそうだ」と判断した投資家が売って、価格が再度下落する(戻り目終了)
戻り目で売ることで、利益を上げる手法を「戻り売り」といいます。
なぜ押し目、戻り目が重視されるのか?
上昇トレンドや下降トレンドが発生している際に、なぜ押し目・戻り目が重視されているのでしょうか?
その理由を4つに分けて解説していきます。
理由①:チャートの本質を反映しているから
1つ目の理由はチャートは一方的に上昇だけ続ける・下落だけ続けることはないからです。
上昇・下落トレンドを形成し、一時的に勢いが落ち着き(調整)、また再度トレンドを形成していく、というようにチャートは必ず波状に動いていきます。
ですので、下落してきた箇所や上昇してきた箇所を見つけることで、大きく利益を上げやすくなる、ということにつながります。
メリット1:トレンド → 調整 → トレンドを繰り返していくチャートの動きがわかる
理由②:FXと関連があるから
またバイナリーオプションで取引する通貨は、基本的にFXで取引されているような通貨ペアが採用されています。
つまり、バイナリーオプションで扱う銘柄は、FXトレーダーの心理状況も反映しているということになります。
ですので、FXトレーダーが重視する「押し目・戻り目」を理解してバイナリーオプション取引を行うことで、結果的にバイナリーオプションの成績が良くなるという訳です。
メリット2:トレーダーの心理状態がわかることで、取引しやすくなる
理由③:高値づかみを予防できるから
押し目・戻り目を判断できるようになれば、高値づかみを呼ばれるリスクを下げることができます。
高値づかみとは:上昇の終わりがけに、買いでエントリーしてしまうこと。すぐに下落するため損をする確率が高い。
十分に上昇しているのに、「まだ上昇しそうだからHighエントリー」という行動をしてしまう原因は、押し目・戻り目の判断が付いていないからです。
判断できるようになれば、「上昇しすぎているので一旦下がる」と判断でき、エントリーを控えて損をする確率を減らせるのです。
エントリーを控える事は利益を得る機会を少なくしてしまうことになりますが、裏を返せば損をする確率も減らすことができますよ!
メリット3:押し目・戻り目が判断できると、負けそうな時にエントリーするのを防げる
理想的な状態はすべてのエントリーを勝ち続けることですがそれは難しいですよね。
そのため、「勝ちそうな時は積極的にエントリーし、負けそうな時はエントリーを控える」のが1番勝率が高くなる方法といえます。
押し目・戻り目を判断して取引できるようになれば、後者の「負けそうな時はエントリーを控える」という戦略をうまく取れるようになるというわけです!
トレンドラインのメリット
では、トレンドを判断する際に関わってくる「トレンドライン」についておさらいしていきましょう。
トレンドは相場の方向性を表すものですが、トレンドラインを引くことで、トレンドを判断しやすくなります。
相場の方向性がわかるということは、単に下落している時でも
「上昇トレンドの最中に、一時的に下落しているだけなのか」
「下降トレンドなのか」
など、様々な相場の状況を判断できるようになります。
詳しいトレンドラインの引き方や基礎知識はこちらの記事で紹介しています。
相場の方向性を知れるおすすめのトレード方法を解説しているので、ぜひご覧ください。
トレンドラインの考え方
トレンドラインの基本的な考え方は、ローソクのヒゲなどを通る直線を引いて、大まかにその方向を捉えるというものです。
ローソクの実体部分ではなく、ヒゲを含める理由としては、欧州のトレーダーが判断している指標が影響するからです。
日本ではローソクが一般的ですが、欧州ではローソクの代わりにバーチャートと呼ばれる棒で価格を表示していきます。
バーチャートはローソクの実体部分だけでなく、ヒゲも含めた値動きで視覚的に捉えていくため、ヒゲも重視する必要があります。
具体的なトレンドラインの引き方は、高値同士・安値同士をつなぐように引けばOKです。
その際に、
・ 直線で引くこと(水平、斜めは問わない) ・ しっくりくるまで何度も引きなおすこと
などを気をつけて引いていきましょう!
まだトレンドラインの引き方に自信がないという方は、最初は「なんとなく」で大丈夫ですので、一旦引いてみましょう!
そうしていく内に、「あれ?このラインは機能していない」など気づくこともあると思いますので、その際に都度引き直して練習してみてくださいね!
押し目、戻り目の見極め方
では押し目・戻り目の具体的な見極め方を解説していきます。
見極めるためには、「ブレイクアウトか否かを確認すること」「レジスタンスラインとサポートラインを引くこと」が必要になります。
見極め方①:ブレイクアウトとは違うことを確認
ブレイクアウトと言うのは、価格が一気に大きく動いて、急にトレンドを形成するような動きを指しています。
押し目戻り目とは違って、急激に上昇・下落していくため、そのタイミングで順張りをするような取引を行い利益を得るのが一般的です。
つまり、上昇トレンドで順張りエントリーをする際には
① 一気に上昇したタイミングで買う「ブレイクアウト買い」
② 上昇中に一時的に下落したタイミングで買う「押し目買い」
という2パターンのエントリー方法がある訳です。
つまり押し目買いをしたい場合、価格が下落してからHighエントリーをする必要があります。
ブレイクアウトは、価格が上昇しているところでHighエントリーするため、高値づかみになる可能性もあります。
反対に、戻り目では価格が上昇しているところでLowエントリーを行います。
下降トレンド時のブレイクアウト売りは、底で売ってしまうリスクもあるので注意が必要です。
見極め方②:高値・安値を意識する
上昇トレンドが発生している時は、高値と安値は徐々に切り上がっていきます。
反対に下降トレンドが発生している時は、切り下がっていくという特徴があります。
つまり、直前の高値・安値よりも
切り上がっているなら、上昇トレンド
切り下がっているなら、下降トレンド
と判断した上で、
上昇トレンドであれば、一時的に下落してくる「押し目」を待つ
下降トレンドであれば、一時的に上昇してくる「戻り目」を待つ
というスタンスで取引を行えば、押し目・戻り目を見極められますよ!
具体的なトレード方法
ではバイナリーオプションで押し目・戻り目を使った具体的なトレード方法を解説していきます。
STEP1:トレンドを確認
最初はチャートにトレンドが発生しているか、否かを判断していく必要があります。
前述したトレンドラインを使って、現在の相場は「上昇トレンド」「下降トレンド」「レンジ相場」のどれなのかを見極めましょう!
トレンドラインを引いた際に、何度もトレンドラインにタッチしていた場合、トレンドが収束する可能性もあります。
何回トレンドラインにタッチしているか、事前に検証しておきましょう!
(例:2〜3回はトレンド継続、5〜7回は収束する確率が高い、など)
STEP2:押し目・戻り目を観察
トレンドを形成していた場合、押し目・戻り目が出現するまで待ちます。
出現した場合、
押し目なら、「High」
戻り目なら、「Low」
でそれぞれエントリーしていきます!
この場合、下落していた戻り目が発生したのでLowエントリーをしています。
その際に、押し目・戻り目の深さが十分であることを確認しておくと、反発する確率も高くなりますので、必ず確認しておきましょう。
深さとは、押し目では下落した変動幅、戻り目では上昇した変動幅が大きいかどうか、を指します。
STEP3:もっと精度を上げたい時には
慣れてきた方は、押し目・戻り目がいつのタイミングで出現するか、判断できる補助的指標を使ってみるのもおすすめです。
フィボナッチリトレースメントを使うと、統計学に基づいた数値から、チャートがどれくらいまで上昇・下落するのかを判断できるとされています。
例えば、先ほどのチャートにフィボナッチリトレースメントを追加した場合、
反転している箇所が、フィボナッチリトレースメントと同じ水準であることがお分かりいただけるのではないでしょうか?
ちなみにバイナリーなどで押し目買い・戻り売りなどの概念を理解して、FXなどでも使っている方もいらっしゃいました。
今週も宜しくお願いします! 欧州時間になってやっと動きましたね。
15時台に理想通り下がって乗り遅れちゃったので16時台に上昇して押し目で下がるタイミングで狙いました。
バイナリーの時からLowの方が勝率が良かったので通貨を絞る事とショートのみに絞ってやっていこうと思ってます。
@MerFX2020 2020,8,10 20:42
このように押し目・戻り目での取引は、バイナリーオプションだけでなく、FXなどでも使える応用力のある手法で勉強する価値が十分にあるといえるでしょう!
まとめ
今回はトレンドラインを引いて、押し目・戻り目を判断しながら取引していく方法を解説していきました。
以下は今回の記事のまとめです。
・ 「押し目」は上昇中の一時的な下落、「戻り目」は下落中の一時的な上昇を指す。
・ 押し目や戻り目を使う理由は、3つ
①チャートの本質に則っている、②FXでも有効な手法、③高値づかみ防止に有効
・ 押し目と戻り目の見極め方は、2つ
①ブレイクアウトではなく徐々に価格が推移している、②高値安値の位置関係
・ トレンドラインを引き、押し目でHighエントリー、戻り目でLowエントリーを行う
・ 押し目や戻り目の出現タイミングは、フィボナッチリトレースメントなどを使うのも有効
押し目と戻り目は、投資特有の考え方になります。
最初は難しく感じてしまうこともあるかもしれませんが、トレンドラインを引きながら、チャートの動きに注目しながら考察していくことが、1番の近道となります。
トレンドライン自体を使った具体的な取引方法はこちらから!