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皆さんはバイナリーオプションで、期待値を意識して取引しているでしょうか。
実は期待値を知っておくことで、投資で最も重要な「資金管理」がしやすくなるなどの様々なメリットがある上に、今後の戦略を決める際にも役立ちます。
本記事ではバイナリーオプションの期待値について、わかりやすく紹介していきます。
・ バイナリーオプションの期待値の計算方法は?
・ 期待値を上げるためには、何をすれば良い?
・ 「期待値」「勝率」「損益分岐点」の関係について知りたい
上記のような疑問をお持ちで、バイナリーオプションで取引をしていきたい投資初心者はぜひ最後までご覧ください。
・ バイナリーオプションの期待値は「1回の取引でいくらの利益が出るか」がわかる数字
・ 期待値を意識して取引することで、今後のシュミレーションができる
・ 損益分岐点にこだわり、期待値を下げる行為は避ける
期待値
そもそも期待値とは統計学の1種で、ある行動をとったときに起こりうる平均の値を指します。
期待値を知る上で、サイコロの目などがわかりやすいのではないでしょうか。
サイコロを1回振った時には1~6の数字のどの数字が出るか分かりませんし、5の目が偏るというケースもあるでしょう。
しかし1万回など試行回数を増やすことで、どの数字が出るかというそれぞれの目が出る平均値はほぼ同じ位の数値になると想定できますよね。
つまり「サイコロ1回振った時に出る目の平均値 ≒ 期待値」となるのです。
これをバイナリーオプションに当てはめると、バイナリーオプション取引を数万回行った場合の最終的な平均利益額が期待値、つまり1回の取引で得られる平均利益額が期待値といえます。
期待値の下限と上限はありません。
そのため「マイナス500円」「プラス1,000円」「プラス10,000円」など個々人によって期待値は異なります。
バイナリーオプションでは期待値が高いほど利益をより多く得やすいため、かなり重要な数値となっています。
期待値を知っておくと得な理由
期待値を知っておくと得な理由は、前述したように多くの利益を得やすいからです。
他にも以下のように、様々なメリットが存在しています。
・ 今後のシュミレーションができる
・ 資金管理がしやすい
・ 資金管理しやすい
・ メンタルが安定しやすい
それぞれ紹介していきます。
今後のシミュレーションができる
期待値を知り、バイナリーオプションに適用することで今後のシミュレーションが容易になります。
期待値は「同じ行為を何度も繰り返す」ということを前提に計算していきます。
同じ方法を続けるということは、今後バイナリーオプションで同じ取引手法を続けた場合を想定していると言い換えられますね。
つまり、期待値を計算することで「ある手法をメインに取引を続けた場合、最終的な1回あたり利益はどのぐらいになるのか」という事前のシュミレーションがしやすくなるのです。
もちろん相場は常に変動するため、必ずしも期待値通りに利益額が出るわけではありません。
しかし、自身の選択した戦略に対して「どのくらいの利益を生み出せるのか」を可視化することで、より勝率の高い手法・戦略を選べるのです。
資金管理しやすい
資金管理とは、バイナリーオプションで取引する際に「1回の取引額はいくらにするのか」などを決め、その通りに取引することを指します。
期待値を知っておくことで、この資金管理がしやすくなるのです。
この期待値を計算する際には、現在の掛け金や勝率などが必要です。
そのため取引中に期待値を意識することで、現在のエントリー総額や利益額、勝率が明確にわかるというわけですね。
以下のようにその場に応じた柔軟な対応ができ、資金管理がしやすくなるのは損失を減らすのに有効といえるでしょう。
・ 数回取引してみて期待値が下がってきているから、少し相場から離れてみよう
・ 期待値が上がっているので、この手法は現在の相場と相性が良く、有効かもしれない
メンタルが安定しやすい
期待値を使えば、メンタルが安定しやすくなります。
期待値の考え方を持っていればたとえ1回負けたとしても、最終的な勝率が期待値に近づくと想定できますよね。
目先の損より最終的な数値が期待値に近づくと分かっているので、取引の際にメンタルがブレにくいのです。
どれだけ有能なトレーダーでも負けをゼロにすることはできません。
実力派トレーダーは自分の信じた手法や、統計的にプラスが出ると算出された手法などを根気強く続けることで、負けても最終的に勝つという状況を作り出しているのです。
そのため期待値を事前に知っておくことで、損をしたとしても「最終的にこれくらいの利益が出るから」とメンタルを安定させて普段通りの取引をしやすくなります。
期待値を知っていれば、メンタルが不安定になって想定していなかったようなミスをしてしまったり、普段ならエントリーするはずのチャンスを逃してしまったりするようなリスクを回避できるといえますね。
バイナリーオプションで勝ち続けるにはメンタルの安定が非常に重要となってきます。
期待値を意識した取引は、メンタル管理に自信がない方にぴったりといえるでしょう。
バイナリーオプションの期待値の計算方法
ここまで期待値のメリットを紹介し、期待値の有用性がお分かりいただけたのではないでしょうか?
では実際に、期待値の計算方法を確認していきたいと思います。
バイナリーオプションで使う期待値の計算方法は、以下の通りです。
期待値 = (掛け金 × 利益率 × 勝率) − (掛け金 × 負けた確率)
期待値を計算する際には、まず期待値に使う「利益率」「勝率」「負けた確率」を算出してから、それぞれを用いて期待値を出すことになります。
・ 掛け金:1回の取引金額
・ 利益率:取引勝利時に得られる利益(ペイアウト率 – 1)
・ 勝率:その手法で勝てた確率(勝利回数 ÷ 全体の取引回数)
・ 負けた確率:その手法で負けた確率( 1 – 勝率、もしくは負け回数 ÷ 全体の取引回数)
例えば1回のエントリー金額が5,000円、ペイアウト率1.80倍、ある手法を30回使った時に18回勝ち、12回負けたとすると、期待値は以下の通りとなります。
・ 掛け金(円):5,000
・ 利益率(倍):1.80 – 1 = 0.8
・ 勝率:18 ÷ 30 = 0.6
・ 負けた確率:12 ÷ 30 = 0.4
・ 期待値(円):(5,000 × 0.8 × 0.6) − (5,000 × 0.4) = プラス400
このケースでは期待値は400円となります。
つまり「1回取引するごとに400円プラスになる可能性のある手法」といえますね。
一度ご自分の期待値を算出してみてはいかがでしょうか。
その際には同じ手法を使って取引したものに限定してみてくださいね。
期待値を上げるためには
期待値を上げるポイントは、計算式を確認すればわかります。
計算時に出てくる数値は「掛け金」「ペイアウト率」「勝率」「負けた確率」ですが、この中でトレーダーが都度調整できる部分は掛け金と勝率のみとなります。
ペイアウト率に関しては業者を変えることで調整可能です。
つまり、期待値を上げるためには勝率を上げる、もしくは掛け金を上げるしかありません。
掛け金を固定し、勝率を変化させた場合の期待値は以下の通りです。
ペイアウト率はどちらも1.9倍で固定しました。
勝率 | 掛け金(固定) | 期待値 |
30% | 10,000円 | -4,600円 |
50% | 10,000円 | -1,000円 |
60% | 10,000円 | 800円 |
80% | 10,000円 | 4,400円 |
次に勝率を固定し、掛け金を変化させた場合の期待値は以下の通りです。
勝率(固定) | 掛け金 | 期待値 |
55% | 5,000円 | 225円 |
55% | 10,000円 | 450円 |
55% | 50,000円 | 2,250円 |
55% | 100,000円 | 4,500円 |
勝率と掛け金のどちらの方が再現性があるかといえば、勝率の上げる方がおすすめです。
掛け金を上げるのは一見簡単のように思いますが、勝率が悪いとただ損失を拡大させてしまうだけで、かなりもったいないですよね。
勝率に大きく関わるのが損益分岐点
勝率を上げるといっても「ただ高い数値を目指しましょう」では、具体性に欠けてしまいますよね。
そんな時に「最低ここまでの勝率をキープしておきたい」という具体的な水準となるのが損益分岐点という考え方です。
この損益分岐点というのは、取引の最終的な利益がプラスになる境目の数値を指します。
いくら勝率があれば勝ちになるのかを表す数値で、株式投資・FX・不動産投資などどのような投資でも損益分岐点が存在しています。
例えば損益分岐点が55%の場合、勝率が50%や52%でもまだ利益は出ていない状態となるのです。
この場合「最低でも勝率55%以上を目指さなければ、利益は出ない」ということがわかりますよね。
損益分岐点の計算方法
バイナリーオプションで損益分岐点を計算する際に必要なのがペイアウト率です。
具体的な計算式は以下の通りです。
損益分岐点 = 1 ÷ ペイアウト率 × 100
ペイアウト率に応じた損益分岐点をまとめた表は、それぞれ以下の通りとなります。
ペイアウト率 | 損益分岐点 |
1.70倍 | 58.8% |
1.80倍 | 55.5% |
1.90倍 | 52.6% |
2.00倍 | 50% |
2.10倍 | 47.6% |
2.20倍 | 45.4% |
2.30倍 | 43.4% |
表を見るとペイアウト率が低い場合、ある程度高めの勝率が求められることがわかります。
勝率が高くとも、いつも一定の勝率を出せるわけではありません。
調子が悪い時には、勝率が下がってしまうこともあるでしょう。
そのため、なるべくペイアウト率の高いバイナリーオプション業者を使い、損益分岐点を上げておく必要があるのです。
ペイアウト率の高い業者
ペイアウト率に関しては、基本的に国内業者よりも海外業者が高くなっています。
特に海外業者の中でも高めのペイアウト率を提供している「ハイローオーストラリア」や「ザ・オプション」がおすすめですよ。
ハイローオーストラリアは1.90倍と高い数値を提供しており、ターボ取引であれば2.30倍のペイアウト率を誇ります。
ザ・オプションも1.80倍~1.96倍と高めで、中には2.00倍ものペイアウト率も提供しています。
ただ2倍以上のペイアウト率を提供しているのは、30秒や1分などの超短時間取引となり難易度が高くなる点には注意しておきましょう。
しかし、1.70倍など低めの業者もある中で1.90倍を安定的にしているのは、かなり評価できる強みといえるでしょう。
ハイローオーストラリア以外の優良業者の有無は、こちらの記事で解説しています。
期待値の注意
期待値を取引で意識する際の注意点として「期待値を下げる行為」は慎むべきです。
この期待値を下げてしまう行動は転売が該当するので、注意しておきましょう。
転売とはエントリーした後に負けそうな場合、判定時刻が来る前に事前決済をして一部利益を取り戻す操作のことを指します。
この転売では一部利益を取り戻しているため、期待値つまりペイアウト率を変化させています。
転売しなければもしかしたら勝っていた取引もあるでしょう。
つまり、ペイアウト率を下げる行動に該当しますよね。
もちろん資金を守る点で転売は有効です。
しかしペイアウト率が変動し期待値が上下するので、「正確な期待値を計算できず、事前に計算した期待値を再現できない」というデメリットになります。
期待値を意識する際には、事前に決めた手法をずっと守って取引をしなければなりません。
そのため期待値が変動しそうな転売をなるべく避け、事前に計算した期待値を実現するために記録をつけて期待値をキープできているかを都度チェックするようにしましょう。
もちろん転売は負けを減らすのに有効な戦略です。
そのため「期待値を重視するのか」「転売を視野に入れて損失を減らす取引をするのか」など、それぞれのトレーダーの好みで選択するようにしましょう。
まとめ
今回は、バイナリーオプションの期待値について紹介してきました。
期待値を知ることで今後のシミュレーションや資金管理がしやすく、メンタルの安定に役立つというメリットがありました。
しかし一方で転売でペイアウト率を変動させてしまうと、期待値通りの結果を得るのが難しくなる上に、期待値を下げてしまいます。
ペイアウト率を上げるためには主に勝率を上げることが大切です。
まずはペイアウト率の高い業者を使って損益分岐点を算出した上で、ご自身の勝率を上げられるよう期待値を計算しながら取引練習をしてみてください。