バイナリーオプションで取引する際に使える、ハーモニックパターンについてご存知でしょうか?
ハーモニックパターンとは、チャートにある規則的な法則があり、特定のパターンを見つけて取引する方法のことを指しています。
相場参加者の心理や行動を基にしているため、価格が動くタイミングを知れる上に、相場観を養うのにぴったりの手法といえるでしょう。
本記事ではバイナリーオプションのハーモニックパターンについて、特徴や使い方、分析方法などを初心者向けに解説していきます。
・ バイナリーオプションのハーモニックパターンの特徴について知りたい
・ ハーモニックパターンの見つけ方、分析方法を知りたい
・ ハーモニックパターンの取引でのリスク管理方法について知りたい
上記の疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧いただきバイナリーオプションで活用してみてくださいね。
・ ハーモニックパターンの基本形は「ガートレー、バタフライ、バット、クラブ」の4つ
・ リスクリワード比が良く、構造的に学ぶことができる
・ 他の指標とも相性が良い
ハーモニックパターンとは
まずハーモニックパターンについて確認していきましょう。
ハーモニックパターンとは、フィボナッチ数列を使った攻略法です。
チャート上で特定のパターンが何度も表れ、そのパターンになったタイミングでエントリーする取引手法です。
今回紹介する4つの基本形以外に、様々なパターンがあり、今もその数は増え続けていますよ。
フィボナッチ数列とは
フィボナッチ数列とは、イタリアの数学者であるフィボナッチが導き出した数列の名前のことで、バイナリーオプションでは「フィボナッチリトレースメント」という攻略法が存在します。
フィボナッチ数列は簡単にいえば黄金比を導き出せる数列です。
バイナリーオプションでは、相場の参加者は無意識にこの黄金比を意識しやすい、という前提の元で取引をしていくのが「フィボナッチリトレースメント」になるのです。
「これくらいまで上昇したから下がるだろう」と売買するポイントをフィボナッチ比率を用いて予測できる、ということですね。
つまり、ハーモニックパターンを使った取引は「参加者が無意識に取引しやすいタイミングで形成されるチャートパターンを使って取引しよう」とする攻略法になるというわけです。
ABCDパターン
ハーモニックパターンにおいて、ABCDパターンを理解しておくとスムーズに理解しやすくなるので覚えておきましょう。
ABCDパターンは、チャートが上昇や下降する流れに沿って、AからB、BからC、CからDと4つの線で分析をしていきます。
AからBへの動きは価格が上昇していればAからBは上昇、下落していればAからBは下落、と分析します。
BからCへの動きは価格の反転を意味しており、上昇しているなら「下落していて一時的に上昇してこれから下落」といったように、イメージとしては坂の途中で一時停止するような感じですね。
そして、CからDへの動きでまた動き出しを意味して、上昇していれば再び上昇、下落していれば再び下落と分析できます。
これらパターンが形成される際、「次に価格がどのように動くかを予測できる」、つまりDから先の動きを予測できるのです。
このABCDのそれぞれの角度に応じてそれぞれ区別されたものをハーモニックパターンと呼んでいるわけですね。
4つの基本形
ハーモニックパターンには、主に以下の4つの基本形が存在します。
・ ガートレー
・ バタフライ
・ バット
・ クラブ
全て英語の「M」もしくは「Mを反転させた形(W)」で、角度で細かく分けられることとなります。
それぞれ紹介していきます。
ガートレー
ガートレーは、最も有名なハーモニックパターンの一つです。
カニのハサミのような特徴的な形状をしており、トレンド(上昇トレンドや下降トレンド)の反転を示していますよ。
・ BCはABの38.2%、61.8%
・ CDはABの127.2%、161.8%
バタフライ
バタフライは、ガートレーと似た形状を持つパターンです。
その名の通り、蝶の形をしていますよ。
ガートレーと同様、トレンドの反転を示すパターンとして知られています。
・ BCはABの38.2%、88.6%
・ CDはABの161.8%、261.8%
バット
バットは、より複雑な形状を持つハーモニックパターンです。
名前はコウモリのBatからきています。
バットはトレンドの継続を示唆することがありますよ。
・ BCはABの38.2%、50.0%
・ BCはABの161.8%、261.8%
クラブ
クラブはバットに似ているパターンです。
名前はガートレーと同じく、カニのハサミから取って付けられました。
一時的な反転を表すこともあるのですが、基本的にバット同様にトレンド継続を示すケースもありますよ。
・ BCはABの38.2%、61.8%
・ CDはABの224.0%、316.0%
使うメリット
ハーモニックパターンを使うメリットは、以下の4つが挙げられます。
逆張り狙い
バイナリーオプションの性質上、取引金額以上の損失を被ることはありません。
これはFXや株式にはないバイナリーオプションの強みであり、リスクを取って損失が増大することがないので一般的にリスクの大きいといわれる「逆張り」とも相性が良いです。
逆張りは大きなリターンを狙える一方で、損失が増大するリスクもあるため取引に取り入れにくいデメリットがあります。
十分に勉強をする必要がありますが、バイナリーオプションではその仕組み上損失が限定されているため、逆張りも視野に入れて取引ができるのです。
チャートを構造的に捉えられるようになる
ハーモニックパターンを学ぶことで、チャートの構造をよりクリアに捉えられて、相場観を養うことができます。
例に挙げた形と全く同じものが出現するわけではなく、ハーモニックパターンを使う際には「大まかに見て出現しているか」という感覚が必要になります。
つまり、ハーモニックパターンをマスターすればチャートを俯瞰して捉えることができるようになり、他のテクニカル分析手法やトレンドラインなどの見え方や精度も高めやすくなります。
リスクリワードが良い
ハーモニックパターンは、利益確定ラインと損切りラインの設定がしやすいという特徴があります。
つまり、エントリータイミングで期待される利益額と損失額がある程度予測し、負けにくいポイントを選べるというわけです。
ただバイナリーオプションは利益額と損失額はあらかじめ決められているので予測する必要はないのですが、負けにくいポイントを選べるのはハーモニックパターンならではの強みといえるでしょう。
種類が多い
ハーモニックパターンには、ガートレー、バタフライ、バット、クラブの他にも様々な種類が存在します。
複数のパターンを理解することで、取引のチャンスも増やせますよ。
基本的な考え方
ハーモニックパターンはABCDの分析を元にD以降でのチャートの動きを予測する手法で、基本的にABCDのD地点でエントリーすることになります。
基本的にD地点ではチャートは反発するため、計算式を用いてD地点を予測してHigh、もしくはLowでエントリーを行うというのがバイナリーオプションでの取引の基本的な考え方です。
3つの波の位置関係が調和(ハーモニー)が取れている、つまり理想的な位置関係に近ければ近いほど、D地点で予想通りの動きが出やすくなると考えられます。
詳しいパターン成立の条件
ではそれぞれのハーモニックパターンについて、詳しい成立条件を確認していきましょう。
ガートレー
以下が成立条件です。
・ AからBまで上昇(下落)している
・ BからCまでの下落(上昇)が、AからBまでの上昇(下落)の0.618倍の距離になる
・ CからDまでの上昇(下落)が、AからBまでの上昇(下落)の1.27〜1.618倍の距離になる
・ D地点での反転シグナルが確認できる
バタフライ
以下が成立条件です。
・ AからBまで上昇(下落)している
・ BからCまでの下落(上昇)が、AからBまでの上昇(下落)の0.786倍の距離になる
・ CからDまでの上昇(下落)が、AからBまでの上昇(下落)の1.27〜1.618倍の距離になる
・ D地点での反転シグナルが確認できる
バット
以下が成立条件です。
・ AからBまで上昇(下落)している
・ BからCまでの下落(上昇)が、AからBまでの上昇(下落)の0.382〜0.5倍の距離になる
・ CからDまでの上昇(下落)が、AからBまでの上昇(下落)の1.618倍の距離になる
・ D地点での反転シグナルが確認できる
クラブ
以下が成立条件です。
・ AからBまで上昇(下落)している
・ BからCまでの下落(上昇)が、AからBまでの上昇(下落)の1.13〜1.27の距離になる
・ CからDまでの上昇(下落)が、AからBまでの上昇(下落)の0.618倍の距離になる
・ D地点での反転シグナルが確認できる
その他のパターン
前述したようにハーモニックパターンには、上記の4パターン以外にも様々なパターンが存在します。
現在もなお新しいパターンが発見されていますよ。
使う前に知っておくべきポイント
ハーモニックパターンを使う前に知っておくべきポイントを紹介します。
計算せずともOK
ハーモニックパターンを計算する必要はありません。
チャート上にラインを引き、条件を満たしているかどうかを確認し、エントリーポイントを決定すればOKですよ。
図形として捉える
初めは難しく、複雑に感じるかもしれません。
ただ、数値ではなく図形としてイメージしながら視覚的に捉えることが重要です。
カニやコウモリなどチャートの形状を覚えておきましょう。
時間軸は短すぎないように
ハーモニックパターンを使う時には、時間軸を適切に選ぶことが重要です。
短すぎる時間軸では分析しなくて良い「ノイズ」が発生しやすく、チャートの形状を見て正確な分析がしづらくなります。
おすすめは15分、45分などの判定時刻ですよ。
使い方
ハーモニックパターンを実際に使ってみましょう。
今回はTrading Viewのインジケーターを用いて分析してみました。
ドル円のチャートを表示させて、「ログスケール」になっていることを確認します。
左の「XABCDパターン」を選択し、描画しましょう。
クリックすればその箇所で描画が開始されます。
無事に描画できればD地点を確認してみましょう。
矢印の方向、つまりLowエントリーをする、という流れになります。
相性のいいインジケーター
ハーモニックパターンは、他のインジケーターとも相性が良いです。
余裕のある方はぜひいくつか組み合わせて、取引してみてくださいね。
フィボナッチリトレースメント
ハーモニックパターンはフィボナッチ数例を使って形成されるので、同じくフィボナッチ数列を使っているフィボナッチリトレースメントとの相性が良いです。
ハーモニックパターンが現れたタイミングと、フィボナッチリトレースメントの線を引いたタイミングが一致すれば、D地点での反発が起こる可能性が高いと考えられます。
移動平均線
移動平均線はトレンドの方向性を示すインジケーターです。
ハーモニックパターンが形成したタイミングで、今相場はどの方向に向かっているか判断できます。
さらに移動平均線がローソクが交差するポイントはトレンドの転換を表し、そこにD地点が出ていれば強いトレンドの転換サインとなります。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは価格変動を示すインジケーターです。
ボリンジャーバンドの幅が拡大と縮小をし始める起点では、トレンドの変換が起きやすいので注目しておきましょう。
さらにボリンジャーバンドは抵抗帯や支持帯となりやすく、ボリンジャーバンドにチャート触れたタイミングがD地点と重なれば、価格の変動が起こりやすいポイントとなります。
まとめ
今回はハーモニックパターンの基本的な形などについて解説してきました。
ハーモニックパターンは、バイナリーオプション取引において有用な手法の1つです。
複数のパターンが存在しているので、まずは形を図形として視覚的に捉えるようにすることで、ハーモニックパターンを覚えやすくなりますよ。
フィボナッチリトレースメントや移動平均線、ボリンジャーバンドなどの他のインジケーターとも相性が良く、普段お使いの指標と組み合わせてみてはいかがでしょうか?
ハーモニックパターンは逆張りの手法なので、相場の流れを意識しながら取引の練習を行って見てくださいね。