バイナリーオプションとFXはよく取引されている投資ですが、それぞれ正しく理解している方は少ないのではないでしょうか。
バイナリーオプションとFXは同じ為替を参考に取引する、という点では同じですが、取引方法などが異なっています。
そこで今回はバイナリーオプションとFXそれぞれの特徴を紹介し、違いをわかりやすく解説していきます。
・ バイナリーオプション、FXとはそもそも何か正しく理解したい
・ 両者の違いがわからない
・ どちらが自分に合っているのか知りたい
上記の内容を知りたい方で、投資初心者の方はぜひ最後までご覧ください。
・ バイナリーオプションは初心者、FXは投資玄人向け
・ どちらも真剣に取り組むなら勉強必須
バイナリーオプションとは
そもそもバイナリーオプションとは、投資の一種です。
この取引では、「米/ドル円」や「ユーロ/米ドル」といった2種類の通貨を組み合わせた商品を扱います。
バイナリーオプションでは、これらの商品の価格が、30秒、5分、1時間後に判定時間の価格よりも上にあるか下にあるかを予測し、その予測が的中すれば利益を得ることができます。
例えば、現在1ドル110円の「米/ドル円」が5分後には1ドル120円になっていた場合、上であるHighを選択していれば的中です。
賭けた金額にペイアウト率(通常1.6倍から2.3倍程度)をかけた額がキャッシュバックされますよ。
もし仮にLowを選択していると賭けた金額が没収されてしまいます。
バイナリーオプションの特徴
以下に、バイナリーオプションの特徴を詳しく説明します。
・ シンプルな取引形式
・ リターンとリスクが固定されている
・ 取引時間が短い
・ 予測の精度が求められる
・ レバレッジやマージンの概念がない
バイナリーオプションは、短期的な取引や予測の精度が求められるため、初心者こと学習していく必要があります。
また、リターンとリスクが固定されているため、資金管理もしやすいという特徴もあります。
それぞれ解説していきます。
シンプルな取引形式
バイナリーオプションは比較的シンプルで直感的で取引ができる、という特徴を持ちます。
上か下かという2つの選択肢から選んで、取引金額を決定するだけです。
最低500円や1,000円から取引できるので「最低額しか取引しない」と決めていれば、上か下かを選ぶだけになり、かなりシンプルに投資が始められます。
そのため、初心者にとっても取り組みやすい取引形式と言えるでしょう。
リターンとリスクが固定されている
バイナリーオプションでは、取引を行う前にリターン(利益)とリスク(損失)が事前に明確に定義されています。
負けた時は賭けた金額がそのまま没収されるのでマイナスとなり、勝った時は賭けた金額に画面上に表示されているペイアウト率をかけた金額分プラスとなります。
つまり、取引におけるリターンとリスクは固定されており、取引開始時に把握できるというわけですね。
取引時間が短い
バイナリーオプションの取引期間は比較的短く、数分から数時間といった短い時間枠で行われることが一般的です。
そのため、市場の小さな変動に対しても利益を狙うことが可能で、チャンスを増やしやすいというメリットがありますよ。
また忙しい方でも短い時間で取引が終わるので、自分のライフスタイルに合わせて取引しやすいのもバイナリーオプションの魅力の1つです。
予測の精度が求められる
バイナリーオプションでは、予測の精度が非常に重要となります。
価格が上昇するか下降するかを正確に予測してエントリーしなければならず、精度が求められるので日々の勉強が必須です。
予測が外れた場合は損失を被ることになります。
レバレッジやマージンの概念がない
バイナリーオプションでは、レバレッジやマージンといった概念が存在しません。
レバレッジとは、自分の資金を担保にして自己資金の何倍もの金額を取引する方法です。
例えば、1万円にレバレッジを3倍かければ3万円、100倍かければ100万円の取引ができてしまうのです。
これは勝てば大きな利益が得られるというメリットがある一方で、負ければ一気に資金を減らすリスクのあるシステムとなります。
特に初心者でレバレッジを使って取引をしてしまうと、損失が積み重なって資金不足で取引をやめなければならない、という自体にもなりかねません。
マージンとは証拠金のことで、レバレッジを使う際の担保のことを指します。
バイナリーオプションではレバレッジの概念がないので、当然担保は必要ありません。
取引には口座に入っている金額のみでやりくりすることになります。
つまり、取引に必要な資金は事前に口座に入れた分のみで、最初に投入した金額以上の損失を被ることはなく、資金管理がしやすいのです。
FXとは
次に、FXについて説明します。
FXとは外国為替証拠金取引とも呼び、異なる通貨同士の価格変動を予測し、その変動に応じて利益を得る取引形式です。
例えば、「米ドル/円」が1ドル110円の時に買いエントリーをして、120円の時に売れば10円分の利益を得られますが90円まで下がってしまえば、20円分の損失を被ってしまいます。
FXでは高いレバレッジを活用して少額の証拠金(担保)で大きな取引を行うことができるという強みがありますよ。
FXの特徴
以下に、FXの特徴を詳しく説明します。
・ レバレッジを使った取引が基本
・ 長期間の取引が可能
・ テクニカル分析とファンダメンタル分析が必須
・ スワップポイントがある
・ 損切りが重要になる
レバレッジを使った取引が基本
FXでは、証拠金(担保、マージン、デポジット)と呼ばれる少額の資金を保証金として預け、その資金を元により大きな取引を行うことができます。
前述したように、レバレッジは投資家の損失リスクを高める一方で、大きな利益を狙うことも可能です。
長期間の取引が可能
FX取引は、バイナリーオプションと比較して相対的に長期的な取引が一般的です。
バイナリーオプションでは数時間だった取引が、数ヶ月単位で取引ができますよ。
日や週ごとの長い時間枠で価格変動を分析し、ポジションを保有することが多いです。
テクニカル分析とファンダメンタル分析が必須
FX取引では、市場の変動を予測するためにテクニカル分析とファンダメンタル分析が用いられます。
バイナリーオプションでも勝率にこだわって本気で取り組んでいる方はこれらの分析方法を取り入れていますが、必須ではありません。
テクニカル分析では、過去のチャートパターンや指標を分析し、価格の変動を予測します。
一方、ファンダメンタル分析では、経済指標や政治的な出来事などの要素を分析し、通貨価格に影響を与える要因を把握して取引します。
スワップポイントがある
FX取引では、通貨の金利差に基づいてスワップポイントが発生します。
スワップポイントとは、ポジションを保有することによって日々もらえるお小遣いのようなもので、通常は金利の高い通貨を保有した場合に利益、低い通貨を保有した場合は損失となります。
例えば、「トルコリラ/円」を買いでエントリーした時はスワップポイントがもらえて、売りでエントリーした時は逆にスワップポイントを毎日支払わなければなりません。
損切りが重要になる
FX取引でもリスク管理は非常に重要です。
特に、バイナリーオプションのように自動的に決済されるわけではないので自分自身で損切りをして、損失を確定させられるようになっておかなければなりません。
レバレッジを活用した取引では、ほんの小さな価格変動でも大きな損失を被る可能性があるため、適切なリスク管理手法を用いることが必要です。
バイナリーオプションとFXの違い
バイナリーオプションとFXは、両方とも2種類の通貨ペアの価格変動を元に取引をしていき、どちらも適切な知識と戦略を立てて取引することが重要という同じ特徴がありますが、いくつかの重要な違いが存在します。
バイナリーオプションは短期的でリターンとリスクが固定された取引形式であり、予測の精度が求められます。
一方、FXはレバレッジ取引やテクニカル・ファンダメンタル分析が中心であり、長期的な取引が行われます。
以下に、それぞれの特徴と違いについて説明していきますね。
取引形式の違い
バイナリーオプションは、将来の価格が上がるか下がるかを予測するだけで取引が行われます。
予測が当たれば利益が得られ、外れれば損失が出るのでかなりシンプルな構造となっていることがわかりますね。
一方で、FXは通貨ペアの価格の変動を予測して取引を行います。
上がるか下がるかを予測し、さらにどのくらい変動するのか、いつ利益確定や損切りするのか、などのポイントを判断しなければなりません。
特にFXでは、通貨ペア(米ドル/日本円)といった価格変動を予測して取引を行います。
通貨ペアの価格は、経済情勢や政治的な出来事など、様々な要素に影響を受けるため、複雑な分析やリアルタイムの情報収集といった行動が必須となります。
なおバイナリーオプションは簡単だからこそ情報収集や分析をせずとも取引ができてしまいますが、バイナリーオプションでも情報収集を行うことで、他のユーザーと差をつけられますよ。
利益額と損失額の違い
バイナリーオプションでは、取引時に固定のペイアウト率が設定されており、予測が正しかった場合にそのペイアウト率に基づいて利益が得られます。
損失は賭けた金額のみ、と最初から固定されていますよ。
一方、FXでは利益や損失は価格の変動幅によって異なるため、利益額が固定されているわけではありません。
1,000円程度の場合もあれば、1万円まで伸びることもあり、マイナス5万円と一気に資金を減らすこともあります。
取引期間の違い
バイナリーオプションは、非常に短期間の取引が可能です。
一般的には数分から数時間の間に取引が完了し、勝敗をすぐに確認できます。
一方、FXは通常、自分のタイミングで取引を終わらせることができ、長期のポジションを持つことも可能です。
そのためバイナリーオプションのように決められた短期的な時間軸にのみ注目するのではなく、FXは短期的、長期的な時間軸といった広い時間軸にも注目する必要があります。
レバレッジの有無
バイナリーオプションではレバレッジの概念はなく、証拠金は必要ありません。
FXでは、証拠金と呼ばれる一定の金額を担保にして取引を行います。
この証拠金を活用することで、実際の投資額よりも大きな取引が可能となるものの、大きく損をする可能性も高くなります。
スワップポイントの有無
前述したようにFXでは、通貨の金利差に基づいてスワップポイントと呼ばれる金利の受け渡しが行われます。
スワップポイントは、通貨を保有しておくことにより利益が得られたり、損失を被ったりします。
バイナリーオプションではこのようなポイントは発生しません。
どちらがおすすめか
バイナリーオプションとFXの違いを説明してきましたが、どちらの方が自分に合っているのか知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以下にそれぞれおすすめの方を挙げていますので、ご自分に合ったものを選んでみてくださいね。
・ 投資初心者で損失が怖い
・ 忙しく投資にかける時間が取りにくい
・ 投資に難しいイメージを抱いている
・ ハイリスクハイリターンの投資をして大きく稼ぎたい
・ 時間軸に縛られずに自由な取引がしたい
バイナリーオプションはシンプルで初心者でも始めやすい、FXは自由度が高く大きく稼ぐ方法もある、といった特徴があります。
どちらがいいか選べない方は最初はバイナリーオプションから始め、慣れてきたらFXも合わせて取引するのがおすすめです。
まとめ
バイナリーオプションとFXは、どちらも投資の一種ですが、取引の方法や特徴において異なる点が存在します。
バイナリーオプションは短期的な取引であり、予測が上下のいずれかに当たるかを予想します。
一方、FXは通貨ペアの価格変動を予測し、長期的なトレンドに注目することが重要です。
どちらの取引も真剣に取り組む場合には、分析方法や情報収集を怠らず、勉強を欠かさないようにすることをおすすめします。