FXと似たトレードができると人気のバイナリーオプションですが、FXとの違いを明確にすることで「どちらが自分に向いているのか」を判断して選ぶことができます。
バイナリーオプションをしていても、実はFXとの違いを明確に知っている方は少なくのではないでしょうか?
そこで今回はFXとバイナリーオプションの比較とそれぞれのメリットデメリット、向いている人を紹介していきます。
・ そもそもバイナリーオプションとFXって何?
・ それぞれの特徴とメリット、デメリットは?
・ どちらが稼げる?
上記のような疑問お持ちの方にはぴったりな記事となっています。
バイナリーオプション初心者はもちろん、ある程度バイナリー取引してきた方も客観的にFXと比べることで見えてくるものもあるかもしれませんよ。
・ バイナリーオプションとFXについて6項目で比較
・ メリットデメリット
・ 向いている人向いていない人
・ どちらが稼げるか
バイナリーオプションとは
そもそもバイナリーオプションとは、高いか安いかの二者択一を行う投資です。
予め設定した判定時刻の価格が、現在価格よりも上がっているか下がっているかを予想します。
ちなみにバイナリーオプションという名前ですが、
・ バイナリー(binary):日本語で「2つの要素から構成される」
・ オプション(option):日本語で「選択権」
のような意味の言葉で構成されています。
「価格が上がるか、下がるか」の2択をするだけなので非常にシンプルで初心者にも選ばれる投資法の1つとなっています。
FXとは
FXは外国為替証拠金取引「Foreign Exchange」を指しています。
ある通貨の価格が上昇するのか下落するのかを予想する投資であり、予想通りに行けば大幅に利益を得ることができる特徴を持っています。
① 1ドル100円の時に、1万円分ドルを購入(100円 × 10,000円分のドル ₌ 100万円)
② 1ドル110円の時に売却(110円 × 10,000円分のドル ₌ 110万円) → 利益は10万円
バイナリーとFXの比較表
ではそれぞれの項目で比較した表を確認していきましょう。
項目 | バイナリーオプション | FX |
どのような取引か | 決済タイミングが決められている | 決済タイミングは自己判断 |
利益額と損失額 | 予め決められている | 自己裁量 |
取引金額 | 1回500円~20万円 | 億単位の取引も可能 |
取引時間&回数 | 無制限(※国内業者だと1日10回程度) | 無制限(※取引所による、保有ポジション数の制限がある場合も) |
レバレッジ&スワップポイント | なし | 25~100倍、スワップポイントあり |
手数料 | 無料 | 取引手数料+スプレッド分が必要 |
基本的にバイナリーオプションは初心者向けの投資手法で、FXは慣れた人向けの投資手法といえるでしょう。
バイナリーオプションである程度資金を増やした後、FXへ移行して堅実なトレードをするのもおすすめです。
バイナリーオプションとFXの違いは?
ではそれぞれ項目ごとに、バイナリーオプションとFXの違いを解説していきます。
項目①:どのような取引か
バイナリーオプションは現時点の価格と比べて、自分が設定した時刻(30秒後、1分後、5分後、1時間後、1日後)に上がるか下がるかを予測します。
予想が外れたら掛け金は没収、当たればペイアウト率に従って払い戻しされる単純な計算方法で進めていくことができます。
反対にFXでは、各通貨ペア(米ドル円、ユーロドルなど)を選び、現時点での価格から上がるか下がるかを予想する取引です。
予想が当たれば「変動分 × 賭けた額」の利益を得ることができますが、外れれば変動した分の損失を支払わなければなりません。
項目②:利益額と損失額
バイナリーオプションの利益額は予め決められています。
「ペイアウト率」が銘柄ごとに設定され、「ペイアウト率 × 賭けた額」で利益を計算することができます。
予想が外れれば、損失として賭け金が全額没収されてしまいます。
エントリー時点で損失額と利益額を管理できるため、想定外の損失が発生しない点がメリットと言えるでしょう。
50%の勝率があれば問題ないかと思われますが、ペイアウト率の関係で勝率は53%以上出す必要があります。
ちなみに「2 – ペイアウト率」がバイナリー業者側の利益となります。
・ 勝率50%:負け
・ 勝率53%:勝ち
反対にFXでは、自分が決済したタイミングで利益額と損失額が決定します。
つまり利益を伸ばしたり、損失を決定せずに持ち越したりすることもできます。
「損失に耐えられる」₌「想定通りに動くまで待てば、損失が利益に変わる」ことを意味し、戦略の幅を広げることができます。
自分の資金以上の取引ができるレバレッジを使用すれば、利益を何倍にも膨れ上がるさせることができますよ。
・ バイナリーオプション:ペイアウト率 × 取引金額(損失は取引金額を没収)
・ FX:レバレッジ × 価格変動分 × 取引金額(損失も同様に計算)
項目③:取引金額
バイナリーオプションの取引金額は、1回の取引につき500円~20万円程度まで取引することが可能です。
購入時は日本円でいくら購入するか入力するだけなので、金額の計算もスムーズです。
一方FXは「通貨量」と「レバレッジ」を加味しながら計算していきます。
最低取引量は1,000通貨で、米ドル円なら数千万円程度で取引できます。
例えば1ドル100円で1,000通貨取引した場合(レバレッジ25倍)、
取引金額は「100円 × 1,000通貨 ₌ 10万円」
実際にかかった金額は「10万円 ÷ 25 ₌ 4,000円」
と計算されます。
ちなみに取引金額の上限は1,000万通貨ほどですので、1ドル100円の取引金額は「10億円」となります。
・ バイナリーオプション:1口500円~20万円まで
・ FX:数千円から億まで取引可能
項目④:取引時間と回数
バイナリーオプションとFXの取引時間は、大体月曜日の朝7時から土曜日の朝6時までです。
FXの価格レートをそのままバイナリーオプションに採用していますので、時間に大きな違いはありません。
回数に関しては、
バイナリーオプション:海外業者は無制限、国内業者は1日10回程度
FX:無制限(同時に保有できるポジション数は2,000まで)
のように異なります。
バイナリーオプションの国内業者と海外業者の詳しい違いはこちらからご確認ください。
項目⑤:レバレッジやスワップポイント
バイナリーオプションにはレバレッジがなく、自分の取引した金額分しか賭けられません。
FXでは25倍~1,000倍程度の高レバレッジで取引することできます。
レバレッジは危険なイメージがありますが、正しく使えば資金を効率的に稼ぐことができる「魔法のショートカットアイテム」ともいえるでしょう。
・ FX特有のサービス
・ ある通貨ペアを保有しているだけで受け取れる報酬のこと
・ 反対にスワップポイントを支払う可能性もある
バイナリーオプションにスワップポイントはありませんが、FXはポジションの取り方によってはスワップポイントを受け取ることもできます。
項目⑥:手数料
バイナリーオプションには取引手数料がかかりません。
口座維持費も必要ないため、コストを抑えて始めたい人にぴったりです。
FX取引では手数料だけでなく、スプレッドと呼ばれる買値と売値の差額分が取引コストとして上乗せされます。
最近では取引手数料が無料の業者も多くなってきました。
しかし同時に購入・売却しても買値と売値に差が付き、スプレッドは必ず発生してしまいます。
例えば、
米ドル → 日本円のレートは「1ドル110円55銭」
日本円 →米ドルのレートは「1ドル110円45銭」
の場合、同じタイミングで取引したとしても2銭分のスプレッドが発生しています。
メリットとデメリット
ではバイナリーオプションとFXのメリット、デメリットを紹介していきます。
バイナリーオプション
バイナリーオプションのメリットとデメリットは以下の通りです。
・ 2択なのでシンプル
・ ワンコインで取引できる
・ 損失額が限定されている
・ 手数料無料
・ 判定時刻で自動的に決済される
・ 勝率50%では負け
・ レバレッジがかけられず、リターンが少ない
・ スワップポイントがない
どんなに価格が急騰・急落しても損失額が限定されていますので、初心者でも安心して取引を始めることができます。
また短時間で判定時刻が来れば自動的に決済されるため、「なかなか損切りができずに損失を増大させてしまう」と心配する必要もありません。
しかし、ペイアウト率は一般的に1.9倍程度で設定されており、勝率50%では負けてしまいます。
レバレッジもないため、シンプルに勝敗が収支に直結する投資法といえるでしょう。
FX
FXのメリットデメリットは以下の通りです。
・ レバレッジを使って大きく稼げる
・ スワップポイントが受け取れる
・ 勝率50%以下でも勝てる
・ 取引手数料がかかる
・ スプレッドを支払う必要がある
・ 決済タイミングは自己判断
FXは自由度が高いことが強みとして挙げられます。
レバレッジをどれぐらいに設定するのか
どのタイミングで決済するのか
などを取引ごとに決めて、高いパフォーマンスを目指すことができます。
勝率50%以下でも「損失額を抑えて利益を伸ばす戦略」なら大きく稼げてしまう点もFXの魅力といえるでしょう。
反対に自由度が高いからこそ、戦略を立てる難しさがあります。
初心者にはハードルが高く、想定以上に価格が動いた場合は大損する可能性もゼロではありません。
手数料やスプレッドなども必要ですので、ある程度まとまった資金が必要となります。
FXでは様々な判断が必要となりますので、利益を出すまでに時間がかかる場合もあります。
バイナリーオプションに向いている人、FXに向いている人
ではバイナリーオプションとFXに向いている人を紹介していきましょう。
・ 少額取引をしたい
・ コツコツ資金を増やしたい
・ 短期取引のみで取引したい
バイナリーオプション向きな人は少額資金で取引したい人でしょう。
1口500円から取引できるため、コツコツ増やしたい方にはぴったりです。
反対に判定時刻が1日以内であるため、長期間保有したいという方には向いていません。
・ 自分で戦略を決めて取引したい
・ 長期保有も検討している
・ リスクを取ってリターンを大きくしたい
FX向きな人は、自分で取引ルールを設定して取引したい人でしょう。
資金を増やすためにレバレッジをかけてリスクを取ったり、資金を守るためにレバレッジを低くしてコツコツ稼いだり、などの対応を変えることができます。
スワップポイント狙いの取引もできるため、長期保有を検討している方にもおすすめです。
反対に損切りができないと大損するリスクもあるため、戦略を立てられない人には向いていません。
バイナリーオプションとFXのどちらが難しい?
ではバイナリーオプションとFXはどちらの方が難しいのでしょうか。
どちらもエントリーしたタイミングから上がるか下がるかを予想しますが、判断要素が増える点でFXの方が難しいといえます。
FXでは利確と損切りタイミングを決める必要がありますが、バイナリーオプションでは決める必要はありません。
ただし、バイナリーオプションがシンプルだからと言って、安易に取引するのはおすすめできません。
ギャンブルトレードをせず、自分のなりのエントリー理由を考えて取引する前提であれば、バイナリーの方が初心者向けといえるでしょう。
バイナリーオプションとFXのどちらが稼げる?
どちらの方が稼げるのか、実際のシミュレーションを行ってみました。
今回はリスクを抑えた控えめなトレードを想定しています。
・ 投資資金10万
・ 勝率55%
・ 1回1万円
・ 1ヵ月で100回取引(1日平均5回)
・ ペイアウト率1.9倍
→ 1ヵ月後:4万5,000円プラス
・ 投資資金10万
・ 1日平均10pips獲得(1ヵ月で200pips)
・ レバレッジ10倍
→ 1ヵ月後:3万6,000円プラス
価格変動などがあるので必ずしも上記のような金額になることは少ないですが、勝率が安定している場合ではバイナリーオプションの方が稼ぎやすい可能性が高いです。
ただFXでレバレッジをかけ、動きが想定内の動きを想定通りの動きを行えば大きく稼ぐことも可能となります。
まとめ
今回はバイナリーオプションとFXの違いについて比較していきました。
初心者は大損する可能性が低いバイナリーオプションがおすすめです。
ちなみにFXで損をしすぎると「追証」と呼ばれる、一部の借金を支払う義務が課されます。
バイナリーオプションの場合は、取引金額が没収されるだけですので借金リスクはありません。
最初はバイナリーオプションで投資に慣れつつ、資金が増えればFXに挑戦してみるのも手です。
まずはバイナリーオプションの分析ツールなどを使いながら、デモトレードなどでどちらに動くのか試してみるのはいかがでしょうか。
バイナリーオプションの優秀デモツールの使い方はこちらの記事をご覧ください。