2022年現在、日本では円安が進んでいます。
ニュースでも「円安が止まらない」などと報道されていますが、そもそも円安について理解している人は少ないのではないでしょうか?
円安についてなんとなく知っていても、「何が原因でいつまで続くのか」「バイナリーオプションにどう影響するのか」などを知りたい人は多いはず。
実は、円安時のバイナリーオプションの動きを予め理解しておくことで取引を有利に進めることも可能なのです。
また現在の円安の原因や見通しについて知っておけば、今後のバイナリーオプション取引にも活用しやすいというメリットもあります。
本記事では円安の原因とバイナリーオプションでの取引方法について紹介しています。
・ 円安時、バイナリーオプションで取引するメリットとデメリットが知りたい
・ どうして円安が起こるのか、原因と今後の見通しが知りたい
・ 円安はバイナリーオプションでは有利になる?
上記の疑問をお持ちの方におすすめできる内容となっています。
・ 円安は円の価値が相対的に下がること
・ 円安は投資家の心理状況によって作り出される
・ 2022年は円安が継続する可能性
・ 円安時、「ドル円」「ユーロ円」などが上昇する
円安とは
「円安」とは他の通貨に比べて円の価値が相対的に下がっていることを指しています。
反対に「円高」は円の価値が他の通貨に比べて上がっていることを指しています。
「1ドル100円」から「1ドル150円」に上昇すれば円安になります。
「1ドル100円」から「1ドル50円」に下落すれば円高となります。
円安の時、今までは100円で1ドルの商品を買えていたのが、100円で0.6ドルの商品しか買えなくなっているのです。
つまり、円の価値が相対的に低くなったことを意味しています。
反対に今まで100円で1ドルの商品を買えていたのが、100円で2ドル分の商品を購入できるようになっている状態が円高といわれています。
ちなみに円安や円高は相対的な比較になるので、〇円になれば円安という明確な基準価格はありません。
直近3ヶ月で比べて円安かどうかを判断したり、10年単位で考えて円安を判断したりするなど、対象とする期間によって変化していきます。
円安の原因
円安の要因はいくつか挙げられますが、共通しているのは投資家の心理状況を反映しているという点です。
バイナリーオプションやFXでは、各国の通貨を組み合わせた「通貨ペア」を対象に取引していきます。
この通貨ペアの価格(レート)を決めているのは、需給バランスであり投資家の売買行動です。
通貨ペアを購入する人が多ければ市場価格は上昇しますし、少なければ下落します。
つまり投資家の行動に大きく影響を与えるポイントが円安の原因となるのです。
投資家がよく取引の判断材料とするのが、以下の項目です。
・ 各国の経済状況、景気
・ 社会情勢
・ 金利
経済状況
例えば、日本の経済成長はスローペースであるのに、アメリカの経済成長が急加速していた場合、アメリカの景気は今後より一層良くなっていくと想定できます。
その場合、投資家は日本よりもアメリカに投資した方が良いと考え、米ドル円は上昇(ドル買い・円売り)の動きを見せると予測できます。
つまり円安が進行するという訳です。
社会情勢
ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルスの大流行などで世界的な悪影響が出ていた場合、投資家はリスクの少ない商品へと資産を移動させます。
通常であれば安全資産とされる円が買われるものの、ウクライナ侵攻などの特殊な事態では「有事のドル買い」として米ドル円は上昇(ドル買い・円売り)の動きを見せやすくなります。
つまり、先行きが不透明であるためドルに資産が集まり、相対的に円の価値が安くなるのです。
金利
金利に関しても、円安の原因となりえます。
FXでは高金利通貨を買って、低金利通貨を売ることで「スワップポイント」と呼ばれる報酬を受け取ることができます。
このスワップポイントは金利差が開けば開くほどもらえる量が増加していきます。
例えば米ドルの金利が高くなって円の金利が安くなると、スワップポイントを受け取りたいトレーダーはより多くドルを買うことになります。
つまり、米ドル円では上昇(ドル買い・円売り)の動きを見せやすくなり、円安が進行していく可能性があるのです。
実際に2022年6月時点で、アメリカは金利を引き上げており、日米での金利差が開きつつあります。
FXとバイナリーの違いについてはこちらの記事で紹介しています。
【徹底比較】バイナリーオプションとFXはどちらが稼げる?違いや難易度、初心者向きかを6項目で検証!シミュレーションも
スワップポイントなどを含め、詳しく知りたい方はこちらを確認しておきましょう。
バイナリーオプションを円安時に運用する場合
バイナリーオプションで取引する際、円安だった場合にどのようなメリットとデメリットが発生するのかを紹介していきます。
・ 相場の動きを予測しやすい
・ トレンドに乗って利益を伸ばしやすい
・ 円安に捉われすぎて判断が偏る
・ トレンドに上手く乗り切れず損失を増大させてしまう
円安の場合、米ドル円は上昇していくと想定できます。
そのため、米ドル円の通貨ペアは「上昇トレンドとなる可能性が高い」と考えることができるのです。
上昇トレンドは、相場が上昇を続けていく状態を指しています。
仮に上昇トレンドが継続する限り、LowエントリーよりもHighエントリーをした方が予想が当たる確率も高まりますよね。
つまり、上昇トレンド中に、何度もHighエントリーしてトレンドに乗れれば一気に利益を積み上げることも可能といえるでしょう。
しかし「上昇傾向が続いていくはずだ」と思い込みすぎて、上昇トレンドが終わりがけなのに上がると予測してHighエントリーしてしまうリスクも考えられます。
トレンドが下落へと移行しているのに流れに逆らってしまったり、上手く流れに乗れなかったりする取引が増えると、損失を増大してしまうリスクもあります。
結局、円安はバイナリーオプションにとって有利?
円安はバイナリーオプションによって有利かどうかは、戦略があれば有利に働くといえるでしょう。
バイナリーオプションは現在価格が判定時刻よりも上か下かを判断していく取引です。
そのため円安になった場合は上昇しやすいと想定できるため、判断材料が増えるという点では円安は有利になるといえます。
しかし単に上昇しやすいという理由だけでHighエントリーをすると、いずれ負けてしまいます。
バイナリーオプションでプラス収支を目指すためには、円安を加味した戦略を決めることが大切です。
後述するポイントを押さえながら、円安時の自分なりのトレード方法を見つけていきましょう。
円安はいつまで続く?
「現在の円安はいつまで続くのか?」という問いの答えですが、2022年の間は続いていく可能性が高いといえます。
理由としては、以下が挙げられます。
・ アメリカが利上げを続け、日本は未だ利上げしていないから(日米の金利差拡大)
・ ウクライナ情勢が不安定で、解決までに時間がかかるから
日米の金利差が拡大しているから
現時点で日本とアメリカの金利差が拡大していることが、円安が継続すると考えられる主な要因です。
新型コロナウィルスが世界的に大流行した2020年にアメリカは日本と同じように金利を引き下げて金融緩和を進めていました。
しかし2022年6月時点で、アメリカは既に利上げを行っています。
一方日本の金利はそのままで、利上げを行っていないという現状があります。
つまりスワップポイント狙いのトレーダーは、米ドルを買って円を売る取引を増やす可能性が高いのです。
そのため、米ドル円は上昇し、円安が進行してしまうシナリオが考えられます。
社会情勢が不安定
ウクライナ情勢は未だ問題解決の糸口が見えず、世界経済自体も不安定なのが現状です。
「有事のドル買い」といわれるように、緊急事態には米ドルが買われやすくなります。
もし今後も不安定な状況が続けば、米ドルが買われることで円の価値は相対的に低くなり、円安が進む可能性もあります。
ウクライナ情勢が年内に解決して、円へ資金が戻るまでは時間を要すると考えられます。
そのため、2022年の間は円安からなかなか抜け切れない可能性が高いといえるでしょう。
円安時の取引ポイント
円安の際にバイナリーオプションで取引する場合、以下の4点を抑えておきましょう。
・ ドル円、ユーロ円などは基本的に「High」でエントリー
・ 判定時刻はなるべく長めの時間軸で
・ 円安に影響を及ぼす経済指標などを確認
・ 上昇トレンドであるかどうかの確認
基本的に「High」でエントリー
米ドル円(USD/JPY)やユーロ円(EUR/JPY)などの通貨は、円安の場合に上昇していくと考えられます。
それぞれ「ドル高・円安」「ユーロ高・円安」を想定してHighエントリーを行うことで、上昇トレンドに乗れる可能性が高い取引を行うのが円安時の基本です。
ちなみに上昇トレンドへ逆らう逆張りのエントリーを狙う場合は、「Low」でエントリーすることになります。
上昇している相場で、ピンポイントで下がる箇所を予測する逆張りは難易度が非常に高くなります。
そのため初心者の場合は、逆張りではなくトレンドに沿う順張りのエントリーから始めるようにしましょう。
トレンドについてはこちらの記事で紹介しています。
判定時刻は長めに設定
判定時刻を長めに設定することで、トレンドに乗りやすくなります。
バイナリーオプションでは30秒や1分の超短期取引を行うことも可能ですが、判定時刻が短くなればなるほど「ノイズ」が発生してしまいます。
大きく見れば上昇しているのに、1分単位で見ると下落している箇所があるといったように細かな価格のブレによってトレンドとは逆向きに動く場合もあります。
そのため、トレンドに乗った取引をしていくのであれば30秒や1分取引よりも60分取引や4時間取引などを選ぶことで細かなノイズを排除することができます。
自分の取引できるスケジュールによって時間軸は変化しますが、なるべく長めの判定時刻を選ぶのがおすすめです。
経済指標を確認
経済指標が円安にどう影響するのか、を確認しておくことも重要です。
経済指標の発表前後では値動きが激しくなりやすいと言われますが、「指標がどうなれば円安が進むのか」などを理解しておくと対処法を決めやすくなります。
例えば日本の金利を確認して上昇するようであれば、日米金利差が狭まって円安が減速するという判断材料の1つにできます。
もし現状維持のままで、アメリカが利上げを続けていくなら円安がもっと進行する可能性があると考えられるのです。
円の価値判断に影響与えやすい指標と、内容によって円安と円高どちらに動きやすくなるかまとめた表は以下の通りです。
好調(または利上げ)の場合 | 不調(または利下げ)の場合 | |
日本の政策金利 | 円高 | 円安 |
アメリカの政策金利 | 円安 | 円高 |
日本の雇用統計 | 円高 | 円安 |
アメリカの雇用統計 | 円安 | 円高 |
日本の国内総生産(GDP) | 円高 | 円安 |
アメリカの国内総生産(GDP) | 円安 | 円高 |
あくまでも一例で、必ずしも表の通りになるわけではありません。
上記以外に、ユーロ圏やイギリスなどの主要な経済指標を確認しておくこともおすすめします。
世界経済全体を考慮しながら、判断していくようにしましょう。
上昇トレンドかどうかの確認
上昇トレンドになっているかどうかを確認しておく必要があります。
円安になったと経済指標やニュースなどで判断できても、相場自体が上昇していない可能性もあるのです。
そのため、以下のようなインジケーターを使って上昇トレンドか否かを確認しておきましょう。
・ 移動平均線は上向きか
・ MACDは0ラインよりも上側にいるか
しっかりと上昇している根拠を探していきましょう。
まとめ
今回は円安の原因と今後の見通し、バイナリーオプションで円安の時に取引するポイントを紹介していきました。
円安の場合、米ドル円などは基本的に上昇すると想定されるため「High」でのエントリーが無難です。
ただ闇雲にエントリーするだけのではなく、「トレンドは本当に上昇トレンドなのか」「経済指標は円安にどのように影響するのか」を意識することが大切です。
選ぶ時間軸はなるべく長めにして、上昇トレンドであることを確認して順張りを狙うのも1つの手でしょう。
まずはチャートに慣れながら、円安時の対処を決めていくようにしましょう。