今回は、為替相場及び為替チャートに大きな影響を与える“経済指標”について詳しく解説していきます。
経済指標は、FXでもバイナリーオプションでも注目しない人はいません。
そのくらい、トレーダーは経済指標に注目しています。
以前、経済指標について触れた記事を掲載したのですが、経済指標といっても数多くの発表があります。
その中でも特に重要な経済指標の解説と、なぜ経済指標はトレーダーにとって重要なのか、詳しく説明していきます。
経済指標とは
経済指標は、世界各国の経済状況を数値化した発表になります。
月曜から金曜の平日毎日何かしらの経済指標が発表されています。
(画像引用元:https://fx.minkabu.jp/indicators)
経済指標が発表されるタイミングでは、為替相場に影響を与えます。
例えば、アメリカ経済に直結するような経済指標「雇用統計」は、発表結果によっては政策が変更されるほど大きな影響を与えます。
ですが、製造業PMIの確報値は、チャートへの影響はあまりありません。
次はどんな経済指標が重要なのかという点と、経済指標の見方を解説していきます。
重要経済指標
経済指標はトレーダーにとって見過ごせない存在です。
そして、経済指標によって重要度が変わってきます。
今回は重要度の高い経済指標の解説を行うので、取引に活用して頂けたらと思います。
重要度は「SS」「S」「A」「B」「C」の5段階に加えて+-表記も加えて細かく評価していきます。
米)雇用統計(NFP)
重要度:SS+
米雇用統計は、正式には「非農業部門雇用者数」になります。(NFP=NonfarmPayroll)
アメリカの労働省が発表する“農業を除外した分野で働く労働者の増減を測定した経済指標”になります。
同時に発表される「失業率」「平均時給」と共に、世界中で最も注目されている経済指標で、“毎月第一金曜”に発表されます。
雇用統計発表のタイミングでは、過去に数円動単位で動いた程、為替相場に絶大な影響を与えます。
為替相場に大きな影響を与えるので、トレーダーの中には、大きな損失を恐れてノーポジ(利食い、損切りをしてポジションを保持していない状態)で静観する人も少なくありません。
米)失業率
重要度:SS
アメリカ失業率は、雇用統計(NFP)と同時に発表され、雇用統計同様に為替相場に大きな影響を与える注目度の高い経済指標になります。
米)平均時給
重要度:SS
アメリカ平均時給の発表は、失業率同様に注目度がかなり高い経済指標になります。
雇用統計と同じタイミングで発表されて、「雇用統計」「失業率」「失業率」の発表結果次第では、“米連邦準備制度理事会(FRB)”の金融政策に影響を与えます。
米)政策金利発表
重要度:SS
米連邦公開市場委員会(FOMC)によって政策金利が決定され、年に8回発表される経済指標。
為替相場に与える影響は雇用統計と同様に大きく、多くのトレーダーが注目しています。
各国)GDP(国内総生産)
重要度:S
GDP(国内総生産)は、インフレ調整後を1年間4期に分けて測定する経済指標です。(3ヵ月毎)
GDPの発表は、国によって発表回数が違います。
アメリカ、イギリス、ユーロ圏は第1期~第4期に加えて「速報値」「改定値」「確報値」が発表されます。
カナダは毎月GDPの発表を行っています。
日本、ドイツ、フランスは「速報値」と「確報値」の発表が加わります。
米)ISM製造業景況指数(ISM非製造業景況指数)
重要度:S
400社以上の企業を対象にアンケートを行い、製造業における景況感を示す経済指標になります。
ISM非製造業も370社以上の企業を対象にアンケート調査を行い発表されています。
ISM製造業、ISM非製造業は事業活動・新規受注・雇用・入荷遅延の総合指数で、雇用統計やGDPの先行発表と言われています。
米)ADP雇用統計
重要度:S
ADP雇用統計は、ADP社(オートマティック・データ・プロセッシング社)が約40万の顧客給与データから算出された雇用者数の増減を表す経済指標です。
雇用統計(NFP)の2日前に発表されるので、雇用統計の先行発表と言われています。
各国)小売売上高
重要度:A+
各国の商務省が発表する、小売店の売り上げを測定する経済指標です。
個人消費の多い国では経済に大きく紐づいて、GDPに大きく関係してくるので、大変注目されています。
また、「消費者信頼感」や「個人消費」といった経済指標にも関連性があり、景気動向を探る指標の1つとされています。
米)失業保険申請件数
重要度:A
アメリカの労働省が毎週木曜日に発表する、失業者が初めて申請した失業保険給付の申込件数の測定です。
新規失業保険申請件数は、雇用統計(NFP)の先行発表として注目度の高い経済指標となっています。
独)IFO景況感指数
重要度:A
IFO経済研究所が毎月発表する、ドイツの景況感を数値化した経済指標です。
ドイツはユーロ圏で1位の経済規模を誇るので、多くのトレーダーが注目しています。
景況感は「製造業」「小売業」「卸売業」「建設業」「現況と半年後の予想」をアンケート調査した内容になっています。
各国)消費者物価指数(CPI)
重要度:A-
消費者物価指数は、労働省といった公的機関が発表する消費者が購入する商品とサービスの価格の変動を測定した経済指標になります。
各国のインフレを測定したり、金融政策を決定するうえで重要な指標となっているので、注目度が高いです。
経済指標発表のタイミングは避けるべき?
経済指標が発表されるタイミング、とりわけ今回掲載した重要経済指標が発表される際は、為替相場に大きな影響を与えます。
上記画像は雇用統計での値動きになります。チャートが急激に動いている様子が分かるかと思います。
FXはpips数で利益と損失が分かれる為、経済指標が発表されるタイミングで取引をしない(ポジションを持たない/ノーポジ)トレーダーも少なくありません。
バイナリーオプションでも同様に、損失を避ける為に経済指標が発表されるタイミングを避けるトレーダーもいます。
ですが、バイナリーオプションは1回の利益と損失に対して調整が可能なので、FX程大きな損失に繋がる事はありません。
加えて、バイナリーオプションというシステム自体が短期取引となっているので、逆に経済指標を利用して取引をする手法が適している場面も少なくありません。
テクニカル分析での取引なら避ける、経済指標を利用した取引なら避けないで取引するといった具合に、上手く住み分けが出来るのではないでしょうか。
経済指標を利用した取引方法
経済指標を利用した取引手法は“指標スキャルピング(指標スキャル)”になります。
簡単に説明すると、発表される経済指標の結果をあらかじめ予想をして取引を行うといった形になります。
指標スキャルピングについては、過去に予想の立て方から実際に取引をした様子を記事に掲載しているので参考にしていただけたらと思います。
まとめ
経済指標は月曜から金曜にかけて、毎日何かしらの発表が行われています。
中には、今回ご紹介したような、為替相場に大きな影響を与える経済指標も少なくありません。
重要な経済指標は為替相場に大きな影響を与えるので、リスクでもあり利益を出すチャンスでもあります。
テクニカル分析で取引をしている人は、経済指標が発表される時間帯を避けて、逆に経済指標を利用して取引を行う人は、しっかり予想を立てて取引を行っていきましょう。
(画像引用元:https://jp.investing.com/economic-calendar/)
経済指標の数は本当に多いので、今後もチャートに影響が出そうな経済指標に関しては別途ご紹介していきます。
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